風邪と漢方薬について

顔が青白く、ぞくぞく寒気を感じるかぜと、熱が出て汗をかき、顔が赤くボーッとするかぜ。「かぜ」とひとくちに言っても、その種類はさまざま。 症状も、くしゃみや鼻水、せきが出る、のどが痛む、腹痛や下痢、などいろいろです。

かぜの原因のほとんどが、ウイルスによる感染。
ちょっとした体調の崩れをきっかけに、かぜをひくことが多いのです。

かぜは、ひき始めから数日経過し、こじれてくると、症状も変化していきます。1週間以上たっても、まだ微熱、せき、寝汗、食欲がないなどの症状がつづく場合は、こじれて長びいた証拠。
「かぜは万病のもと」と言いますが、特に高齢者は、かぜがもとでいろいろな重い病気が起こるので注意しましょう。

漢方薬にできる事は?

「かぜ」は漢方の得意分野の一つ。
特に高齢者のかぜは体力が低下して起こることが多いので、漢方の治療が力を発揮します。
西洋薬は熱を下げる、咳をおさえるなどの対象治療法が主ですが、漢方薬ではそれよりも、カラダが本来もっている免疫力、抵抗力をたかめて、かぜをなおすことに重点を置いています。
ひき始めのかぜに使う葛根湯(カッコントウ)をはじめ麻黄湯(マオウトウ)、小青竜湯(ショウセイリュウトウ)、麻黄附子細辛湯(マオウブシサイシントウ)、麦門冬湯(バクモンドウトウ)、竹茹温胆湯(チクジョオンタントウ)などの漢方薬が使われます。ひき始めやこじれたかぜなど、かぜの時期や同じウイルスによる風でも 体質や体の反応が異なるので、それらにあった漢方薬を選ぶことが必要です。

暮らしの中の予防法

カルシウムやビタミンをとる

カルシウムやビタミンがたりないと、かぜをひきやすくなります。 とくに、ビタミンCには、ウイルス感染を予防し、治療する力があります。

タンパク質をとる

消耗した体力を回復させ、抵抗力がつきます。肉、魚、卵、大豆製品などを 多くとりましょう。

体を温める食事と水分をとる。

お粥やうどんなど、胃に負担をかけずに体を温める食べ物をとり、 発熱で消耗した水分を補給しましょう。